福知山線事故：乗務車掌の地位確認　大阪地裁が請求却下

福知山線事故：乗務車掌の地位確認　大阪地裁が請求却下

　ＪＲ福知山線脱線事故（０５年４月）で事故車両に車掌として乗務していた松下正俊さん（４７）が、事故後の配置転換を巡り、ＪＲ西日本に対して車掌としての地位確認などを求めた訴訟の判決が２２日、大阪地裁であった。中村哲裁判長は請求を却下した。松下さん側は控訴する方針。


　訴状などによると、松下さんは０７年９月、車掌業務ではなく、駅業務での復職をＪＲ西から提示された。松下さん側は「車掌には一定の知識と技術が必要で、他の業務と明確に区別されている」としたうえで、「（ＪＲ西は）車掌以外の職種にすることはできない。配置転換には業務上の必要性がない」と主張。事故については「ＪＲ西は余裕ある運行計画への変更や、自動列車停止装置（ＡＴＳ）の設置を怠った。原告は長期療養に追い込まれた」として１００万円の損害賠償も求めていた。


　これに対して、ＪＲ側は「原告は事故直後の救護など対応が不十分で、車掌としての適格性を欠いている」と反論。また、事故に関しては「余裕ある運行計画と事故との因果関係は証明されていない。また当時の基準ではＡＴＳ設置は義務づけられていなかった」などと主張していた。

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