マイナカード、大阪で窓口５時間待ち 保護者「子供の本人確認が…」【換金くん札幌本店ブログ】
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“産経新聞
現行の健康保険証を２年後に廃止し、マイナンバーカードに一体化する政府方針を受け、自治体には取得方法などの問い合わせが相次いでいる。新たなカード取得者に最大２万円分のポイントを付与するキャンペーンも追い風となり、カードの取得率は今月、人口の５割を超えた。一部の自治体では窓口の待ち時間が５時間超になったり、子供の本人確認に手間取るなど、取得の「壁」も現れている。■再び待ち時間拡大
大阪市ではカードの普及促進策として導入された「マイナポイント」を申請するための特設ブースが混雑している。市内で最も人口が多い平野区の区役所では２５日午前、３つのブースに約７０人が待機し、待ち時間が５時間を超えた。
政府は最大２万円分のマイナポイントが受けられる普及促進策「マイナポイント第２弾」について当初、カード取得の申請期限を９月末に設定。取得後にポイントを得るための申請期限を来年２月末としている。
市によると、９月のブースの混雑は、ポイント申請期限をカード申請期限の９月末と混同した市民が多く訪れたため。市全体のブースへの来訪者は８月まで月約４万人で推移していたが、９月は１万人増え、約５万人に上った。
政府は９月２０日、カード取得期限を１２月末まで延長。一時的に混雑は収まったが、１０月１３日にはマイナカードと保険証を令和６年秋に一体化すると発表し、取得を事実上、義務化した。これを受けて大阪市のブースの来訪者は再び９月中旬並みに増加したという。
市内の各区役所には「保険証はいらなくなるのか」「一体化した方がいいのか」などの質問も寄せられている。ある区役所の担当者は「一体化の行程や制度の詳細が不透明で、また大きな方針転換があるかもしれず、具体的な回答ができない」と困惑する。
■子供に顔写真付き証明書？
一方、交流サイト（ＳＮＳ上）では、子供のマイナカード受け取りに関する煩雑さを嘆く声があふれている。「役所の開庁時間には子供は学校や部活動で連れていけない」「小学生と中学生の子供を同じ時間に連れていくのは無理」などとの内容だ。
総務省によると、１５歳未満の申請は保護者などがしなければならず、就学している場合は受け取りに本人と申請者が同行しなければならない。しかも本人確認にパスポートや在留カードがない場合は複数の証明書が必要だ。
１０月下旬、仕事を休んで小学６年の長女とともにカードを受け取りに行った大阪市内の女性会社員（４３）は、職員に「保険証だけではだめ。顔写真付き学生証などは」と尋ねられ、「娘はまだ小学生で、顔写真付きの証明書は持っていない」と困惑したという。
たまたま大阪市の子供医療証も持っていたため本人確認をクリア。次に案内された窓口で、別の職員が顔写真入りのマイナカードと実際の長女の顔を見比べ、受け取りが完了した。「本人を連れて行ったのに、複数の本人確認書類が必要なのか」。申請はスマートフォンで簡単にできたが受け取りが大変、と女性はため息をついた。
総務省の担当者は「電子証明書や保険証などの機能が使えるカードであり、悪用を避けるため受け取りには正確を期している」と理解を求める。
■業務効率化にメリット、丁寧に説明を
総務省によると、１８日時点のカードの取得率は５０・１％。平成２８年１月に始まった市区町村によるカードの交付は、約６年９カ月で人口の半数を超えた。同省は、申請や受け取りの利便性を高めるため、自治体に夜間や土日祝日の開庁時間を設けるよう要請。自治体によっては、商業施設などで申請を受け付けるとともに本人確認を済ませ、郵送で受け取れるようにするケースもあるという。
マイナカードと保険証の一体化のメリットについて、内閣府大臣補佐官時代にマイナンバー制度を担当した多摩大大学院の福田峰之客員教授は「治療歴や薬の服用歴など健康や医療の情報が集約できる」とし、他人になりすまして保険証が使われることを防ぐ効果も期待できると説明。「業務効率化や医療政策が進めやすくなる」と語り、取得率の向上に向け、申請や受け取りがしやすくなるような工夫を求めた。
一方、カードにさまざまな情報が集約されること自体に懸念を示す国民もいる。東京経済大の上机(かみつくえ)美穂教授は「（事実上の）取得義務化の流れも含め、国民の不安に対して説明が足りていない」と指摘。「利便性だけでなく、情報はどのように保管されるのか、カードを持つ際に気を付けることなども政府は伝えてほしい」と訴えた。（石川有紀、山本考志、木下未希）”
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