今年登場する新しい数え方「クエタ」や「ロント」は誰がどう決めた?【換金くん琴似店ブログ】
「ゼタ」や「ヨタ」、「ゼプト」や「ヨクト」が追加された前回から、31年ぶりのことです。
新たに加わる4つとは、大きな数では10の30乗を示す「クエタ(quetta)」と10の27乗を示す「ロナ(ronna)」、小さな数では10のマイナス27乗を表す「ロント(ronto)」と10のマイナス30乗を示す「クエクト(quecto)」です。
接頭語が30年あまりぶりに拡大される背景には、この間の情報技術の爆発的な性能の向上が挙げられます。パソコンやスマホは、誰もが毎日用いる必須の機器となり、しかもその処理能力は文字どおりの日進月歩で進化しています。
接頭語の場合はまず、倍数(大きい数)と約数(小さい数)をセットにして、わかりやすく示す必要があります。
今回新たに追加される4つの接頭語も、「クエタ(quetta)」と「クエクト(quecto)」、「ロナ(ronna)」と「ロント(ronto)」がセットになっています。
また、倍数の接頭語は末尾を「a」にして記号は大文字表記にすること(quetta=Q、ronna=R)、約数の接頭語は末尾を「o」にして記号は小文字表記にすること(quecto=q、ronto=r)、などの原則(制約)があります。
さらには、省略記号(メガ=M、ギガ=Gなど)に使えるアルファベットにも限りがあります。既存の単位(メートル=m、アンペア=A、ニュートン=Nなど)ですでに用いられている記号は、使用することができないからです。
実際のところ、大文字・小文字ともに使えるのは、「Q」と「R」だけです(アルファベット以外ではマイクロの「μ」が使われていますが、コンピュータで扱える文字コードを考えると混乱を招きかねません)。
こうして選ばれたのが、この秋に開催されるメートル条約総会で審議される4つの接頭語、10の30乗を示す「クエタ(quetta)」、27乗を示す「ロナ(ronna)」、逆にマイナス27乗を表す「ロント(ronto)」、そしてマイナス30乗を示す「クエクト(quecto)」というわけです。
今年登場する新しい数え方「クエタ」や「ロント」は誰がどう決めた?
本記事は長いですが、なぜスマホなどのSDカード容量が表記より少ないかも解説しています。トリビアにどうぞ。