「観光バス車内で一人カラオケ」 コロナ苦境のバス会社が発案 新潟【換金くん札幌本店ブログ】
15台の観光バスが車庫にひっそりと並び、鳥よけのネットが掛けられていた。
「緊急事態宣言が解除になっても、お客さんは慎重になってしまうのではないか。学校が再開しても校外学習などがないと、状況は変わらない」と話すのは、新潟市南区のバス会社「新潟第一観光バス」常務取締役の小林香織さん(38)だ。
同社は、新潟県内では区内の中学校のスクールバスや校外学習の送迎、県外へは冠婚葬祭の式場や大学生のサークルなどの合宿の送迎がおもな業務だった。それが3月の休校措置でスクールバスはなくなり、緊急事態宣言が県内に拡大した4月からは県外への送迎もほぼキャンセル。売り上げは前年同期から約95%も落ち込んだ。11人いる従業員は2月後半から自宅待機している。他社ではバスを手放すところもある中、小林さんは「やはり商売道具だから手放せない。いま手放しても金額は知れているし、また買うにしてもお金がいる」と話す。少しでも経費を抑えるため、国土交通省の特例措置を使い、バス9台を9月末まで休車扱いにした。普段はナンバープレートを外すなどの措置が必要だが、新型コロナの感染拡大で不要になった。保険金がかからず、車検や3カ月点検などの法定検査も受けずに済むという。
7月からは校外学習の予約などが少しずつ入ってきているが、県外との往来は引き続き自粛が求められ、県外向けのバスは運行できない。バス会社は休業要請の対象ではなく、県や市の休業協力金は出ない。雇用調整助成金なども申請したが、入金がいつかも分からないという。小林さんは「実質的にほぼ休業状態。せめて休業要請が出ている業種と同じ扱いにしてくれたら」と話す。
経営が苦しい中、小林さんが発案したのが、「観光バス内での一人カラオケ」だ。カラオケ店などが休業し、気兼ねなく歌える場所が少なくなる中、バスに付いているカラオケ機器を使い、1台に一人2時間限定で無料で歌ってもらおうというもの。電話での完全予約制で、18日から始める。小林さんは「お客さんに他の形で、少しでも満足していただければ。事態が収束したら、また乗車してほしい」と話した。【露木陽介】
「観光バス車内で一人カラオケ」 コロナ苦境のバス会社が発案 新潟
とても良い案だし無料なのもうれしいですね。