生活保護ワーカーは「懲役4年」か【換金くん札幌本店ブログ】
■「保護なめんな」ジャンパー
今回の、小田原市の生活保護担当職員の「保護なめんな」ジャンパーに関して、旧知の石井正宏さん(NPO法人パノラマ 理事長 )がブログでおもしろいことを書いていて(「保護なめんな」ジャンパーはケースワーカーの特攻服)興味深いのだが、なかでも、生活保護ワーカーたちが自分たちの職場や職種に対して「懲役4年」と自虐的に語っていたというエピソードは印象的だ。
特に教育を受けた人は除き、行政の生活保護ワーカーは基本的に福祉の素人で、3年か4年たてば、また違うセクションに移動していく人々だ。
それが彼女ら彼らのキャリアにどう影響を与えるかはわからないものの、どうやらそのセクションは「懲役」と呼ばれるほど苦行に満ちたものらしい。
まあ、福祉の素人がいきなり日本では最もハードな福祉分野のひとつである生活保護行政にまわされてみれば、それを「懲役」と自虐的にくくっても仕方ない。
行政の花形セクションがどこなのか僕はわからないが(やっぱり「財務」かな)、生活保護世帯の支援とその査定(不正受給のチェック)は、最も地味なセクションのひとつだろう。
この生活保護行政が、実は将来的には10兆円規模分野になるかもしれず(現在は自治体予算含めて4兆円程度、10兆円は、団塊ジュニア〈大量の高齢ひきこもりを含む〉が高齢者になる25年後あたりにはやってくると僕は予測している)、その意味では、高齢社会になり混乱期となったこれからの50年間の日本社会においては花形分野なのだが、どうも行政現場では「懲役」らしい。
■「公共的な合意」の限界は?
だから、「生活保護」という枠組みを、真正面から捉え直す時期にいまは来ている。それは最後のセーフティーネットどころか、最もメジャーな支援の枠組みであり、これからは全予算の10%を占めるかもしれない。
現在、生活保護を利用する人々は、世帯で200万世帯弱、人で200万人強だ。人の数で言うと、すでに60人に1人が生活保護で生活している。
それは「最後」どころか、最もメジャーな支援の枠組みなのだ。
だから今回のような、「なめんな」ジャンパーなどで大騒ぎしている暇はない。生活保護のような現金支給システムにおいては、一定の不正者が出るのは仕方がない。それに対して現場担当者が一生懸命取り組むのも当たり前であり、組織的士気を高めるために「なめんな」で盛り上がる人々もいるかもしれない。
そんな「盛り上がり」を制御するのはミドル・マネージャーの仕事で、今回はたまたま組織的に「ま、いいか」と流されてきたにすぎない。こんなこと、小さな問題なのだ。
メディアやジャーナリズムは、話題の入り口としてはこうした些細な出来事から始めるのは仕方ないとしても、予算の1/10に迫る可能性がある「最後のセーフティーネット」の意味をもっと追求すべきだ。
それと、公共事業や防衛費とのバランス、また社会保険(年金と健康保険)財源との比較、そして国債返還との比較なども含めて、「生活保護」予算が我々の税金の何割を占めることが公共的な合意になるのか、その限界はどのあたりなのかを提示してほしい。
■「パラダイム・チェンジ]
個別の不正や個別の苦悩をとりあげることも大切だが、それは時代が安定している時の手法としては有効だ。
現代のような「パラダイム・チェンジ](価値の転換期)にあるときは、目の前で起こっている個別の事例に振り回されていては、転換期の意味が捉えきれない。
社会問題についてそれほど深く考えず日常に対応するだけで精一杯の普通の国民に対して、メディアはもっと問題を集約し問題のコアを言語化し問題提起していく使命を帯びている。
中流社会でのんびり個別事例を追求していくのどかな時代は終わった。
メディアにこそ、リテラシーの力が求められており、特に「デスク」的ポジションにあるミドル・マネージャーに課された使命は大きい。★
※Yahoo!ニュースからの転載
昔、家賃の督促する仕事をしていたことがあります。大体社員1人あたり150~250人くらいを担当するんですが、そのうちの1割弱くらいが生活保護。生活保護って支給される金額に当然、家賃分も入っていて、いつ仕事が無くなるかわからない派遣とかよりもある意味とりっぱぐれがないはずなんですが、ダメな奴はパチンコやら競馬で使っちゃうんですよね。私、何回も役所のケースワーカーに「○○町の○○さん、部屋の家賃払ってないです。滞納2ヶ月。金はパチンコで使ったって言ってます。呼び出してください。」で呼び出して、ケースワーカーが説教している横で、「もう支給停止しましょう。生活保護費もらってもパチンコに使っちゃうんだから。部屋は出て行ってもらいますのでその手続きをお願いします。」と言って脅しまくったんですが、その時は土下座して来月必ず2ヶ月分払います!と約束するんですけど…それでもパチンコ行きますからね。もうね、目の前に現金があったらダメ。約束とか常識とか、人として、とかそういうの全部無くなってるから生活保護受けるしか生きていけないんだから。本当、ケースワーカーの人たちはこういう生活保護者をぶん殴らなかっただけ、まだマシというか、むしろ褒められていいと思います。