衝撃112秒KO、村田諒太の世界戦は?ミドル級に君臨する「二大巨頭」次第か。【換金くん札幌本店ブログ】
ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(帝拳)が現地時間23日、数々の名勝負が繰り広げられた米ラスベガスMGMグランド・ガーデン・アリーナのリングに上がり、ベテランのジョージ・タドニッパ(米)に初回1分52秒TKO勝ちした。これで村田は2013年のプロデビューから11連勝(8KO)をマーク。世界挑戦を期待する声は高まるばかりだが、はたして村田が世界タイトルマッチの舞台に立つ日はいつくるのだろうか。
村田のラスベガス進出第2戦はあっけないとも言える幕切れだった。対戦相手のタドニッパは先制攻撃こそしかけたものの、これをブロッキングで防いだ村田が重量感のあるジャブ、右ストレートを繰り出していくと、たちまち試合の優劣は明らかになった。村田が右を決めて、左ボディブローを突き刺すとタドニッパは早くもダウン。立ち上がったところに、村田が右をこれでもかと打ち下ろすと、主審がストップを宣告した。わずか112秒のKOショーだった。
.では、村田の世界戦はいつ実現するのか?
現地からの情報によると、試合から一夜明けた24日、記者会見に応じた村田は「アピールはできたかなと。一歩なのか半歩なのかはわからないが(世界に)近づけたと思う」とコメント。試合後、村田が契約するトップランク社のボブ・アラム氏も「コンプリートファイターになった」とそのパフォーマンスを絶賛した。
村田の世界ランキングは現在、WBOとIBFが3位、WBCが4位、WBAが9位で、いつ世界挑戦をしてもおかしくない位置につけている。帝拳ジムの本田明彦会長は「いつでもできたらやる」とやる気を示した上で、ターゲットとするWBO世界ミドル級王者、ビリー・ジョー・サンダース(英)との交渉がまとまらない場合は、11月にノンタイトル戦を組む考えを明らかにした。
では、村田の世界挑戦は11月の次、あるいはその次に実現するのかといえば、状況は極めて流動的と言わざるをえない。その理由の1つは、サンダースの動向、ひいてはミドル級の現状ということになる。
アルバレス、サンダース、ゴロフキンの間で……。
サンダースは9月17日に米テキサス州で防衛戦を予定している。この日のメインイベントに出場するのは、前WBC世界ミドル級王者のサウル・アルバレス(メキシコ)で、アルバレス陣営は9月の試合のあと、サンダースへの挑戦を希望しているとも伝えられており、同じリングにそろい踏みする9月のイベントは、その伏線という見方ができる。
アルバレスは世界のボクシング界でもトップスターの1人だ。もし、サンダースが本当にアルバレスと対戦するとなれば、そこに村田が割って入るのは難しい。
そのアルバレスは、ミドル級で3団体のベルトを保持するゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とのビッグマッチが期待されている。両者はこれまでに何度か対戦交渉を持ってきたが、話はまとまらず、現時点では来秋の激突が見込まれている。いずれにしてもミドル級世界戦線は、ゴロフキン、アルバレスという二大巨頭の動きいかんという状況で、村田が「待たされる」という事態は大いにあり得るのだ。
.村田にはあと1回、トップクラスとの試合を。
こうしたミドル級の世界戦線事情に加え、村田にもう少し経験を積ませたほうがいい、という意見も根強い。
筆者も個人的にそう考える1人だ。
村田はプロ7戦目で世界ランカーのダグラス・ダミアオ・アタイデ(ブラジル)を右一発でKOした。アタイデは悪くない相手ではあったけれど、世界トップクラスの選手とは言い難かった。今回のタドニッパもしかりだ。41戦して34勝24KOと戦績は悪くないが、世界前哨戦の相手としてはもの足りないと言わざるを得ない。少なくとももうワンランク上の相手との“テストマッチ”は必要ではないだろうか。
昨年11月、ラスベガス・デビュー戦で勝利したものの、本人曰く「最悪の試合」でアメリカでその実力をアピールできなかった村田。だが、今年に入り3連続KO勝利をマークし、試合内容も充実してきた。今回ラスベガスで「アピールできた」ことも世界に打って出る上で大きかった。
足りなかったいくつかのピースは少しずつ埋まってきている。万全の体勢が整うまであと少しだ。
衝撃ですね!! 112秒か・・・。
衝撃112秒KO、村田諒太の世界戦は?ミドル級に君臨する「二大巨頭」次第か。