カラオケで本人でも高得点を出せない理由【換金くん札幌本店ブログ】
“よくテレビの企画で、本人が自分の持ち歌を歌ってもカラオケの採点では高得点にならず、「あれれ……?」と思ったことがないだろうか。どうしてカラオケで本人が歌っているのに高得点が出ないのだろう? 「教えて!goo」にも「(カラオケ)精密採点IIで80点以上は出ますか?」という質問も発見したため、今回はカラオケで本人でさえも高得点を出せないその採点のメカニズムに迫ってみたいと思う。
■高得点を出す歌い方が必要!?
上記QAサイトに寄せられたベストアンサーは、「私はポップスやジャズヴォーカルを講師に教わっていますし、時には素人ながらステージで歌わせていただくこともあります。(中略)消費カロリーだとか精密採点の点数などは、それ用に意識した歌い方で歌えばかなりの高得点にでもできるものです」(Nannetteさん)という、気になる回答を発見した。
その一方で、「本当に真面目に正しく歌ったとしても、必ずしも良い点が出るとは限りません。それはプロのシンガーである講師が歌っても同じことです。だから歌うなら、(中略)点数で歌うのではなく、聴く人の心に滲みこむように歌うことが大切なんだと思います」(Nannetteさん)という回答もあり、点数にこだわるのではなく、聴き手に向けて心を込めて歌うべしというアドバイスも寄せられていた。
■ヒミツはカラオケ採点の基準にアリ!?
上記QAサイトに寄せられた一般ユーザーの意見は上記だったが、プロの意見はいかがだろうか。音楽プロデューサーであり、音楽講師である本山nackeyナオトさんに、本人が自分の持ち歌を歌っても、カラオケ採点で高得点にならない理由について伺った。
「カラオケ機種やメーカーによって、採点の基準がかなり違います。ただ、どの機種でも『本人が自分の持ち歌を歌っても高得点とは限らない』というのは事実です」(本山さん)
どうやら原因は、カラオケ機種の採点基準に関係があるようだ。さらに本山さんが詳しい理由について、以下のように説明を寄せてくれた。
「実は『音程』は、その歌手の音程ではなく、ガイドの音程の通りに歌えているかどうかによって判定されています。ガイドの音程とその歌手本人の歌い方が違うことはとても多い。だから、その歌手本人がいつも通りに歌っても、ガイドの音程と違う場合は減点されてしまいます。その歌手本人ではなく、カラオケのガイドの音程をよく聴いて、採点画面に出てくるメロディを示すバーに合わせる感覚で歌うと、得点はアップします」(本山さん)
なるほど。となると、カラオケ機種にあらかじめ設定されている音程を確認しない限り、本人が意識している音程のまま歌ったところで、高得点を出すことは難しそうである。当人がカラオケで自分の歌を歌っても高得点が出づらいのは、このようなカラクリがあったのだ。
■大事なのは採点よりも楽しんで歌うこと!
ちなみにカラオケで高得点を出すためには、このように歌えばいいというポイントはあるのだろうか? 簡単なマル秘情報を教えていただいた。
「基本的な発声は、母音をしっかり発音するように歌いましょう。スピードの速いテンポの曲の方が遅いテンポの曲の方よりも高得点を出しやすいようです。また、バラードよりも通常の曲の方がベターです。童謡や唱歌が高得点を出しやすいので覚えておくといいかもしれません。マイクがノイズを拾うとそれは全て減点対象になります。途中でマイクのオンオフなんかすると『ボッフッ』という雑音になるので、まわりの話声なども注意しましょう」(本山さん)
歌う前にカラオケの機器を確認することも大事なポイントになるようだ。
「カラオケ機器本体の各つまみやフェーダーを標準の位置、規定値に合わせましょう。すべて少し抑えめにする方が良いです。ボリュームや、エコーなどが大きいと減点対象となるためです。また、マイクの充電や電池量などが少ないと減点対象になります。ボリュームが大きいとノイズと判断されるので、キーンとハウリングやマイクを吹く音に注意しましょう」(本山さん)
ほかにもマイクの持ち方を変えたり、ビブラートの処理、抑揚のつけ方に注意したりと、ポイントは多岐に渡るようである。ただ、一般ユーザーの回答にあったように、聴き手を踏まえて心を込めて歌うことや、歌う自分自身が楽しめることも大切かと思うので、あまり点数にはこだわらない方がいいのかもしれない。
●専門家プロフィール:本山nackeyナオト
ボイストレーニングの指導には定評があり、これまで25年のボイストレーニング指導で延べ2000人(組)以上に指導、多くのプロ歌手を育成している。著書に『カラオケ採点必勝ガイド』(音楽講師協会出版)がある。柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)”
カラオケで本人でも高得点を出せない理由
次回のカラオケで実践してみます!!