ベルギーテロ 住宅街で爆弾製造か 実行犯の潜伏先、イスラム系移民困惑 「換金くん清田区北野店ブログ」
静かな住宅街で爆弾を製造していたとは信じられない-。空港で自爆したブラヒム・バクラウィ容疑者(29)らが借りていた部屋があるブリュッセル北部のスカールベーク地区は、レンガや石造りの中層住宅が立ち並ぶ住宅街だ。室内からは爆発物やイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の旗が見つかった。犯行準備が行われていたことに住民は困惑気味だが、テロの温床とみられることへの強い反発も聞かれた。
ブラヒム容疑者と地下鉄で自爆した弟のハリド・バクラウィ容疑者(27)は、同地区のアパート最上階に部屋を借りていた。目の前にはアラビア語で書かれたレストランがある。イスラム系移民が多い街だ。
大通りを挟んでスーパーを経営するスニワ・ヨーネスさん(31)は、「(ブラヒム容疑者たちは)店に来たことがなく面識はなかった。借りていた部屋は改装して4カ月前から空き家状態だった。彼らがどこかから通って爆弾を製造した“工場”だったとしたら恐ろしい」と話した。
昨年11月のパリ同時多発テロの実行犯で18日に拘束されたサラ・アブデスラム容疑者(26)の指紋も、地区内の住宅から検出された。
欧州でもイスラム教徒が多く住むことで知られるモレンベーク地区で当局の監視が強まり、スカールベーク地区が利用された可能性もある。モロッコ出身のイスラム教徒ヨーネスさんは「この辺りは治安も良く、テロの温床になるところではない。テロと結びつけないでほしい」と語った。
アブデスラム容疑者が生まれ育ったモレンベーク地区も訪れた。潜伏していたとされるアパートは街の真ん中にあり、容疑者が兄弟で経営していたバーもほど近い。
「サラの無実を信じる」。屋台でイスラムの菓子ヌガクを販売しているモハマド・スリムさんは、同容疑者と同じ26歳で幼なじみだったという。「イスラム教で殺人は厳しく禁じられている。だからテロリストは本当のイスラム教徒ではない」と語気を強めた。