親族・友人「悔しい」癒えない心　中１殺人遺棄【換金くん琴似店ブログ】

　大阪府寝屋川市の中１男女が遺体で見つかった事件。黙秘を続ける山田浩二容疑者（４５）が１２日、平田奈津美さん（１３）を殺害した容疑で再逮捕された。事件の発生から１３日で１カ月。平田さん、星野凌斗（りょうと）さん（１２）の親族や友人らの心は癒えない。

【写真】平田奈津美さんの遺体が見つかった駐車場。今も花や飲み物が供えられている＝１２日午後、大阪府高槻市番田１丁目、楢崎貴司撮影

　子どもが２人の同級生という３０代女性は１２日、山田容疑者の再逮捕を受け、静かに話した。「どういう状況で２人が事件に巻き込まれたのか知りたい。取り調べで真実を明らかにしてほしい」

　近所の住民らによると、平田さんは４姉妹の末っ子。飲食店を営む男性（７１）は、「パパ、パパ」と父親に甘える平田さんを覚えている。週末によく家族で店に来て食事していた。「なっちゃんは人なつっこくて甘えんぼ。姉妹でいつもじゃれ合っていた」

　中学では吹奏楽部に入部。「うまくなりたい」とトロンボーンの練習に打ち込み、７月下旬のコンクールの舞台にも立った。２年生の女子部員は「分からないことはすぐに質問してくる。まじめで優しい子だった」としのぶ。

　「元気？」

　今年の正月、九州にいる平田さんの親族の女性のもとに年賀状が届いた。小学校に入学して以来、平田さんから毎年送られてくる。高齢の身を気遣う言葉がいつも書かれていた。

　最後に平田さんに会ったのは６年ほど前。家族と一緒に女性宅を訪ねてきた。「よく甘えておねだりしてきた」。家の前の畑で遊んでいた姿が目に浮かぶ。

　女性は８月２２日、寝屋川市に足を運び、平田さんの葬儀に出た。「大変だったね」。出棺のときに心の中でこう呼びかけるのが精いっぱいだった。

　遺体が見つかった大阪府高槻市の駐車場を訪れ、花を供えた。「なぜ罪もない奈津美がこんな場所に捨てられたのか。何を言っても帰ってこない。ただ、ただ悔しい」

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　「あの時、私が２人を家に泊めていれば」

　星野さんの友人の女子生徒（１２）は事件後、母親にそう言った。

　２人は８月１２日夜、一緒に外出した。１３日午前０時すぎ、女子生徒は無料通信アプリ・ＬＩＮＥ（ライン）で星野さんから「家に泊めて」と頼まれた。女子生徒は母親と相談し、応じられない、と伝えた。

　２人は早朝まで京阪電鉄寝屋川市駅前の商店街のあたりで過ごし、連れ去られたとみられている。女子生徒の母親は「子どもは心の中でずっと責任を感じているようだ」と話す。

　星野さんとは中学に入って知り合い、夏休み前から仲良くなった。星野さんは「働きに出ているお母さんの負担を減らしたい」と話し、妹２人の面倒をよくみていた。女子生徒の５歳の弟と一緒にゲームで遊んでくれたこともあった。

　母親は「だれかと自分の思いを話せれば少しずつ落ち着くかもしれないが、まだそういう状態にはなっていない」と心配する。

　女子生徒は「２人に天国で喜んでほしい」と８月下旬、贈り物を買いに行った。星野さんにはお気に入りだったゲームのキャラクターの人形、平田さんには自分とおそろいのカエルのぬいぐるみを選んだ。教師を通じて２人の家族に渡してもらったという。

こんな大人にはなりたくないわ、女の言いなりは無理やわ
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