ゴールド来春１０億円種牡馬入り　有馬でラストラン【換金くん札幌本店ブログ】

中央競馬で現役最多のＧＩ６勝を誇るゴールドシップ（栗東・須貝尚介厩舎、牡６歳）が、今年の有馬記念（１２月２７日、中山、ＧＩ、芝２５００メートル）を最後に引退し、来年に種牡馬入りすることが１日、分かった。総額１０億円ですでにシンジケートが組まれ、繋養（けいよう）先は北海道新冠町のビッグレッドファーム。絶大な人気を誇る現役最強馬の雄姿は、今年限りで見納めとなる。

　勝てば圧勝、負ければ惨敗－。競馬ファンを常にドキドキ、ハラハラさせる希代の癖馬ゴールドシップ。有馬記念、宝塚記念の両グランプリに計３度、ファン投票１位で選出されるなど圧倒的な支持を得ている人気馬が、年内で引退し、来年に種牡馬となる。

　すでに総額１０億円で種牡馬シンジケートが組まれた。種付け料は未定。しかし、小林英一オーナーはゴールドシップの生まれ故郷である北海道・日高の多くの生産者も種付けができるよう、リーズナブルな価格を希望しているという。

　管理する須貝調教師が「この馬は歴史を作れる」と語ったことのある名馬のラストランは、有馬記念の予定。その後、ビッグレッドファームで繋養される。

　同馬は２０１２年、皐月賞、菊花賞のクラシック２冠に輝き、有馬記念も完勝。宝塚記念連覇を達成した１４年には世界最高峰のＧＩ、フランスの凱旋門賞に挑戦した（１４着）。今年は、京都・芝３２００メートルが舞台で前年まで（５）（７）着に負けていた天皇賞・春で、長距離戦では考えられない向こう正面からのロングスパートを敢行。常識破りの作戦で勝利を飾った。

　勝利に導いた関東の名手、横山典騎手は「今まで３０年間やらせてもらった騎手人生の中でも、この馬は面白いです」と強烈な個性を絶賛。ビッグレッドファームグループ代表の岡田繁幸氏も、神懸かりの的中ぶりを誇るサンケイスポーツのＧＩ予想『相馬眼』で、「得意とはいえない距離でも勝つのが名馬です」と能力を高く評価している。

　ただ、史上初の３連覇がかかった宝塚記念ではゲート内で立ち上がった上に膠着（こうちゃく）状態となり、大きく出遅れて１５着。芦毛の人気馬には強さとモロさが同居している。

　現在は滋賀県甲賀市の吉澤ステーブルＷＥＳＴに放牧中。宝塚記念で出遅れがあったため、帰厩後はゲート再審査を受けなければならない。次走は未定だ。

　父のステイゴールドは今年２月５日、大動脈破裂のため２１歳で急死。後継種牡馬にはクラシック３冠などＧＩを６勝したオルフェーヴルがいるが、ゴールドシップも来年に仲間入りする。

★シンジケート

　種牡馬の種付け権利を株に分割して出資者を募集し、共有すること。株の名義者は１株につき毎年１頭の交配権利を有する。種付けする牝馬の頭数が株数を超えれば、超過分の種付け料が出資者に分配される。クラシック３冠をはじめ、ＧＩ７勝を挙げた歴史的な名馬ディープインパクト（牡１３歳）は総額５１億円（８５００万円×６０口）のシンジケートが組まれた。

■記録

　ゴールドシップは現在、ＪＲＡ・ＧＩ６勝。あと１勝すれば、最多７勝のシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカに並ぶ。ＪＲＡ重賞もあと１勝でスピードシンボリ、オグリキャップ、テイエムオペラオーと並ぶ最多１２勝。記憶にも記録にも残る名馬に…。注目のラストシーズンになる。

■ゴールドシップ

　父ステイゴールド、母ポイントフラッグ、母の父メジロマックイーン。芦毛の牡６歳。栗東・須貝尚介厩舎所属。北海道日高町・出口牧場の生産馬。馬主は合同会社小林英一ホールディングス。戦績２６戦１３勝（うち海外１戦０勝）。獲得賞金１３億９７７６万７０００円。重賞はＧＩ６勝を含む１１勝。馬名の意味は「黄金の船」。父名より連想。

引退は残念ですがこれから強い種馬を残してほしいです。
ゴールド来春１０億円種牡馬入り　有馬でラストラン