船内、黒煙と爆発音 乗客「命からがら避難」 苫小牧沖フェリー火災【換金くん札幌本店ブログ】
31日夕、苫小牧沖で火災を起こした商船三井フェリー(東京)の「さんふらわあだいせつ」。船内には大きな破裂音が響き渡り、船尾などから黒煙が立ち上がった。夏休み中の航海は、港への着岸を目前に暗転。乗客71人は近くを航行していた他のフェリーなどに救助されたが、乗員1人が行方不明のままとなっている。深夜に苫小牧西、東両港にたどり着いた乗客らは一様にこわばった表情で、脱出の様子を振り返った。
「ボーン」―。函館市の男性運転手(48)は「だいせつ」の船内で大きな爆発音を聞き、慌てて4階のドライバー専用室に荷物を取りに行った。「船内はすごく熱かった。甲板の排気口から真っ黒とグレーの2色の煙が吹き出していた」。火の手が相当回っていたのか、タイヤが爆発するような音がとどろいた。
函館市の別のトラック運転手(59)は部屋で横になっていたところ、船内放送で火災に気付いた。集められたロビーで状況説明を受け、救命艇に移った。「人数確認のため、一人一人の体に番号が付いたテープが貼られた。自分は右肩だった」。船内に緊迫感が漂った。
船内から緊迫した様子を携帯電話で伝えた乗客も多かった。空知管内南幌町の運輸会社「札幌豊総合物流」には31日午後8時すぎ、40代の男性運転手から疲れた声で「煙が出て怖かった。命からがら逃げた」と電話があったという。
■船内に4時間、救出作業見守った船長
フェリー「さんふらわあだいせつ」の坂上幹郎(さかうえ・みきろう)船長(58)は、行方不明となった2等航海士の織田(おりた)邦彦さん(44)を除く乗客、乗員がすべて脱出するまで船内に残り、無線で救助船と連絡を取り合うなど救出作業を見守り続けた。
海上保安庁などによると、坂上船長はヘリコプターでの救助を予定していたが、なかなか下船せず、最後は説得に応じる形で巡視艇に移った。すでに出火から4時間近くが経過していた。31日午後11時5分ごろ、巡視艇で苫小牧西港に到着した坂上船長は、「船長」と呼び掛ける報道陣に対し、「ご迷惑をおかけしました」と一礼し、迎えの乗用車に乗り込んだ。
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北海道新聞社
爆発音でみんなびっくりしたと思います。
船内、黒煙と爆発音 乗客「命からがら避難」 苫小牧沖フェリー火災