なでしこ決勝Ｔ進出へ秘策は澤外し　ノリさん、先発５人入れ替え【換金くん札幌本店ブログ】

　Ｗ杯カナダ大会で連覇に挑むなでしこジャパンは１２日午後７時（日本時間１３日午前１１時）、１次リーグＣ組の第２戦でカメルーンと激突する。１１日（同１２日）の前日会見で佐々木則夫監督（５７）は先発の大胆な入れ替えを明言。ＭＦ川澄奈穂美（２９＝ＩＮＡＣ神戸）、ＤＦ鮫島彩（２７＝同）らを起用し大黒柱のＭＦ澤穂希（３６＝同）をジョーカーとして待機させる奇襲に打って出る。勝てば１次リーグ突破が決まる一戦を変幻自在の采配で制し１６強による決勝トーナメントに駒を進める。
勝負師のノリさんが、ハリウッドの巨匠を引き合いに出しながら熱弁した。公式会見に臨んだ佐々木監督は「あすもスペクタクルなゲームを楽しんでいただいて結果は勝つ。僕のあだ名は“スピルバーグ監督”なので」と言い切った。強豪を連破して優勝した前回１１年ドイツ大会。映画のようなドラマチックな幕切れで外国人記者に形容されたニックネームを意識し、大胆采配を予告した。

　カメルーン戦のヒロイン候補はスイスとの第１戦で控えだった川澄と鮫島だ。相手は引いて守る堅守速攻型。最終ラインの選手間にできるギャップを見抜き「両サイドをうまく使いたい」と話した。非公開の前日練習では川澄が右、鮫島が左のＭＦに入ったという。「ワンツーの切り返しやカットインで突く。アーリークロスもいける」と鮫島は訴え、川澄も「違いを出せるのは駆け引きやボールを受ける準備の部分。その中で決定的な１個があれば」と気合は十分。突破力を備えた両翼がサイドをえぐり倒す。

　相手ＤＦ陣に高さがないことも分析済みだ。両サイドを崩してクロスを上げるイメージで「（前線は）高さで対応できる人材を使っていく」と指揮官。ともに１メートル６８の大儀見、菅沢の“ツインタワー”を起用する見通しで「前線の選手が点を取って先行することがポイント」と強調する。右サイドバックは近賀、ＧＫは海堀が有力。初戦から最大５人を入れ替える。

　隠された裏テーマが澤依存からの脱却だ。直前練習では主力組のボランチに宮間が入り、６大会連続出場を果たした澤はサブ組に回ったという。レジェンドの先発落ちとなれば、９５年スウェーデン大会・米国戦以来５大会１７試合ぶり。なでしこのボール保持が予想される中、正確なキックで展開力に秀でた宮間を選ぶ戦略上の理由もある。だが、スイス戦では澤がピッチを退いた後半に守勢に回った。経験値が高い大黒柱をベンチに置くのはリスクを伴うが、連覇には、澤を休ませながら格下を蹴散らせるだけのチーム力が求められる。

　勝てば１６強入りが決まる。大胆な選手起用がはまれば、サポーターにとっては痛快なドラマとなるはずだ。指揮官は「必ず前半の流れの中で仕留める」と攻撃的な姿勢を強調した。メガホンを取る日本のスピルバーグが最高の物語を紡ぎ出す。

ナデシコ頑張ってほしいですね！
なでしこ決勝Ｔ進出へ秘策は澤外し　ノリさん、先発５人入れ替え