アップルのクックCEO、生前のジョブズ氏に肝臓提供を持ちかけ
本当に素晴らしい方々です。
【ニューヨーク】米アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏が生前、膵臓(すいぞう)がんの診断を受けたあと、現最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏が肝臓の提供を申し出ていたことがわかった。近く出版されるジョブズ氏の伝記「Becoming Steve Jobs(スティーブ・ジョブズになること)」(ランダムハウス)で明らかにされる。
この伝記はインターネット通販サイト「アマゾン」に掲載されていたが、その後、削除された。報道によると、クック氏は膵臓がんの診断を受けたジョブズ氏の自宅を定期的に訪問していたが、あるときひどく動揺し、自分の血液型が非常に珍しいジョブズ氏の血液型に適合するかどうか検査を受けたという。
その結果、部分的な肝臓移植なら可能であることがわかったため、クック氏(当時は最高執行責任者)は自分の肝臓を提供すると申し出た。ジョブズ氏はためらうことなく強い調子で申し出を断ったという。
同書には、「私(クック氏)の話が終わらないうちに彼(ジョブズ氏)は話をさえぎった」、彼は「『だめだ』。『そんなことはさせない。絶対にさせない』と言った」と記されているという。
ジョブズ氏は09年、別の人物から提供された肝臓の移植手術を受けた。11年4月にアップルCEOを辞任、その2カ月後に亡くなった。
「Becoming Steve Jobs」はジャーナリストのブレント・シュレンダー氏とリック・テッツェリ氏の共著。アップル最大のヒット商品であるスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を生み出したジョブズ氏をとりまく神話や固定観念の打破に挑んだ作品だ。
同書では、クック氏やアップル幹部のジョナサン・アイブ氏、ウォルト・ディズニーのロバート・アイガーCEOら、ジョブズ氏を個人的に知る人々がこれまで明らかになっていなかったエピソードを語っている。