日本人女性「イスラム国」入りか トルコ出国後、音信不通 洗脳テロの可能性も
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が、「(日本)国民を場所を問わずに殺戮(さつりく)する。日本にとっての悪夢が始まる」などと恫喝してきた。インターネットやメディアの影響もあり、過激思想に洗脳された日本人による「ホームグロウン(自国育ち)・テロ」の可能性も指摘されている。イスラム国支配地域に潜入した疑いがある日本人女性の存在。安倍晋三政権は卑劣極まるテロに対峙するため、駐在武官を増員して、情報収集力を強化するなど、抜本的対策に動き始めた。
「残虐非道なテロリストたちを絶対に許さない。その罪を必ず償わせる」「テロに屈することは決してない。総力を挙げて、日本人の安全を確保する」
安倍首相は2日の政府与党連絡会議で、決然と語った。悪らつなイスラム国の予告を受け、政府は在外邦人の保護や水際対策、重要施設の警備強化に着手しているが、テロリスト予備軍は意外なところで繁殖・増殖しかねない。
元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は「『敵は身内にあり』と考えるべきだ」と警告し、こう続ける。
「今回の事件で、イスラム国に関する情報がインターネットや報道で大量に出回ったため、感化される日本人は少数ではあるが確実に増えたはずだ。1億2000万人も人間がいれば、500人や1000人は“極端な思想”を持つ者がいてもおかしくない。メディアを通じて流布されたイスラム国の思想が、人々が決起する大義名分になりかねない」
確かに、イスラム国が1月20日に殺害予告映像を流してから、インターネット上にはイスラム国関連の情報があふれ、メディアは洪水のような報道を続けた。女性や子供を平気で処刑する残虐非道なテロ集団の主張を垂れ流し、中には「一過激組織とは言えない」「安倍政権にも問題がある」などと、テロ集団を擁護するかのようなブログやテレビ番組もあった。
これらが、国内の一部日本人を過激思想に感化させ、「ホームグロウン・テロ」につながりかねないのだ。
先月、フランスで発生した週刊紙銃撃事件の実行犯も、フランス育ちでフランス国籍を持つアルジェリア系の兄弟らだった。犯行声明を出したテロ組織「アラビア半島のアルカーイダ」は昨年春、ネット上で「ホームグロウンの一匹オオカミによる攻撃を奨励する」と呼びかけていた。
イスラム国などのテロ集団に合流した後、母国に戻ってテロを起こす「帰国テロ」の危険も軽視できない。
警察当局は、イスラム国支配地域への渡航者の有無について情報収集を進めているが、足取りを追うことができないケースも少なくない。
昨年11月には、イスラム国入りの意向を示していた東京都内の日本人女性と、アルジェリア系フランス人の夫が、イスラム国支配地域に隣接するトルコへ出国した後、音信不通になった。
夫妻はともに20代のイスラム教徒で、公安当局などの事情聴取に「人道支援で渡航する」と説明していたという。日仏両国の政府関係者が渡航自粛を要請したが、夫妻は自宅を引き払い、出国した。このほか、「イスラム国には日本人の傭兵が数人いるようだ」という情報もある。
政府は3日、国民の生命と財産を守るため、菅義偉官房長官を本部長とする「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」の会合を開催。海外の邦人保護や、日本国内のテロ未然防止に向けた水際対策、重要施設の警戒・警護などを強化する具体策について協議した。
情報収集・分析力も重要だ。
安倍首相は2日の参院予算委員会で、「軍の情報機関の場合、同じ軍人にしか情報を渡さない慣習がある」といい、中東地域の日本大使館へ派遣する駐在武官の増員を検討する考えを示した。政府は2013年、安全保障上の懸案事項に対処する国家安全保障会議(日本版NSC)を発足させたが、さらにテロ組織などの情報収集・分析力を強化する構えだ。
国際政治学者の藤井厳喜氏は「国内外で国民を守るためには、情報が極めて重要だ。安倍首相は、自衛隊を在外邦人の救出に対応できるよう、安全保障法制の整備を目指しているが、これも情報がなければ動けない。武官増員だけでなく、本格的な情報機関を立ち上げるべきだ。戦後70年、やっと日本人も覚醒してきた。欧米諸国に比べると遅いが、『テロに屈しない』『国民を守る』との決意で動き出した安倍政権を見守りたい」と語っている。
ほら、やっぱりでてきたこういう輩。これからも増えると思うわ。
これからはイスラム国入りを表明した時点で逮捕だな。