【ジャンプ】沙羅、板壊れてもＫ点越え！国内開幕戦２位
アクシデントがなければ。。。
◆ノルディックスキー 吉田杯ジャンプ大会（１４日、北海道・名寄市ピヤシリシャンツェ＝ＨＳ１００メートル、Ｋ点９０メートル）
ノルディックスキージャンプの国内開幕戦で女子の高梨沙羅（１８）＝クラレ＝をアクシデントが襲った。２回目の飛行前にスキー板が待機所から落下。右板のテール部分が剥がれた。自ら応急処置をし、Ｋ点越えの９２・５メートルをマークしたが２位に敗れた。伊藤有希（２０）＝土屋ホーム＝が２４０・５点で初優勝。男子はソチ五輪団体銅メダリストの伊東大貴（２８）＝雪印メグミルク＝と竹内択（２７）＝北野建設＝がともに２５１・５点で同時優勝を飾った。
まさかのアクシデントだった。２回目の飛行直前。２８人中２７番目の順番だった高梨は、ジャンプ台頂上の待機所に置いていた板がなくなっていることに気づき周囲の役員に報告。現場付近の役員が待機所から約２０メートル下で板を発見したが、落下による衝撃で右板のかかとから後方のテール部分の表面が剥がれ、めくれ上がっている状態だった。
すでに２回目の競技が進行していたこともあり、自らの歯で板をかんで、めくれ上がった部分を接合。２回目のジャンプでは、１回目のＫ点ちょうどの９０メートルを越え、９２・５メートルをマークしてみせた。試合後はアクシデントについて一言も触れず「２回目の前は、自分のいい時のジャンプを頭に巡らせていた。試技も含めて今日の３本の中では一番よかった」と冷静に分析した。
板は基本的に立てかけているだけで、練習中に時々落下することもあるが、試合中は非常に珍しいという。今回、何が原因で落下したのか不明だが、テール部分が裂けると滑走中にブレーキがかかるほか、空中でも風の抵抗を受けて不利な状況になるという。その板でＫ点越えのジャンプを披露。３シーズンぶりとなる国内開幕戦を２位で終えた。
夏場の大会を除き国内大会で優勝を逃したのは１３年３月の全日本選手権以来。実力は示したが、Ｗ杯でも今月上旬の個人第１戦で３位となり、昨季後半からの連勝が７で止まり、高梨は「技術的にも精神的にももっとレベルアップしないと」と反省を口にした。１５日からは名寄での全日本合宿に約１週間参加。Ｗ杯総合３連覇へ「課題はたくさんある。その一つ一つを直していきたい」とアクシデントにもめげず前進を続ける。