デフレ王者「マクドナルド」転落の断末魔…鶏肉ダメージを悪化させたチグハグ経営
すごい赤字だなぁ・・・
日本マクドナルドホールディングス(HD)の経営が混迷を極めている。平成26年12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業赤字が94億円と、昭和48年以来41年ぶりに赤字に転落する見通し。その原因は、7月に発覚した仕入れ先の中国企業による使用期限切れ鶏肉の使用問題にとどまらず、それ以前からの客離れや、他の外食やコンビニエンスストアに競い負けてきた問題が複合化した結果ともいえる。「できることはすべてやる」と今春就任したサラ・カサノバ社長は訴えるものの、回復の道筋が見えてこない。打つ手がすべて空回りしているカサノバ社長の手腕も大きく問われている。
■“ひっつめ”スタイルで「心機一転」を演出したが…
先月7日、東京都中央区のホテルで開かれた日本マクドナルドHDの緊急会見。参加した記者たちがまず驚いたのが、カサノバ社長のスタイルだ。後で束ねる「ひっつめ」のヘアスタイルで白いシャツに濃紺のスーツで、登場した。これまではソバージュ、スーツもカジュアルなものが多かったが雰囲気が一変した。
会見での質疑応答の中、テレビ局の経済部記者が髪形などを変更した理由を尋ねた。カサノバ社長は「心機一転」と応じ、さらに「この髪形好きですか」と切り返し、思わずその記者が「好きです」と応えてしまう場面もあった。
しかし、会見での質疑応答が進む中で、その心機一転も、外見だけで、業績改善の中身は薄く、“期待はずれ”になっていることが判明していく。
鶏肉問題では、使用する鶏肉をすべてタイ製に切り替え、材料の抜き打ち査察や食品衛生の専門家を集めて安全指針をつくったほか、こういった取り組みをCMで告知している。しかし、食の安全問題は極めてセンシティブな問題なだけで、消費者から厳しい意見が途切れない。「あの事件以来、チキンナゲットは食べることができない」(30代主婦)、「キャンペーンの『妖怪ウォッチ』のグッズを子どもがほしがったので久しぶりに行ってみたが、妻が子どもに食べさせるのを心配するので自分が食べた」(40代男性会社員)といった声が相次ぐ。