アサヒビール、脱「夏依存」へ 機動的に新商品追加投入、月ごとの需要喚起
アサヒビールの小路明善社長は11日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、最需要期の7~8月にビール販売が集中する従来型のビジネスモデルを転換する考えを明らかにした。近年頻発する異常気象を念頭に「夏場の売り上げに期待しすぎるのはリスクが大きい」と指摘。消費ニーズにきめ細かく対応し、期初計画にはなかった新商品も機動的に追加発売していく方針を示した。
ビール各社にとって7~8月は、年間売り上げの3割程度を稼ぐ書き入れ時とされてきた。しかし記録的な猛暑だった昨夏は、逆に需要が低迷。今夏も梅雨明けの遅れに加え、販売が伸びるお盆時期に大雨が相次ぎ、「7~8月としては過去に例がないほどの落ち込み」(小路社長)だった。
今後は販売促進策を通年で平準化し、大型連休やクリスマスなど月ごとに機会をとらえて需要を喚起していく考え。小路社長は「売上高を12カ月かけて安定的に積み上げ、増収を図っていく」と述べた。
期初計画にない新商品の追加もその一環だ。第1弾として、歳暮商戦向けにギフト限定の高級ビール「ドライプレミアム 香りの琥珀」を投入する。昨年はギフト専用に発売した「ドライプレミアム」で話題を集め、中元商戦での販売シェアが57%に上ったが、今年は一般販売を始めた影響などから51%に落ち込んだ。
この結果について小路社長は「贈答品には『上質感』と『限定感』の両方が必要だった」と分析。「香りの琥珀」は一般販売しないという。その上で「消費者ニーズの変化は早くなっている。小売り各社と商談を行う1四半期ごとに商品戦略を見直していきたい」と述べた。
でも夏の方がビール美味いよね。
アサヒビール、脱「夏依存」へ 機動的に新商品追加投入、月ごとの需要喚起