【日本ハム】稲葉「悔いない」引退 20年間、計5人全監督胴上げ
◆日本ハム4―7楽天(2日・札幌ドーム)
日本ハムの稲葉篤紀内野手(42)が2日、札幌ドームで会見を行い、今季限りでの現役引退を表明した。春季キャンプ中から抱えていた左膝痛など、身体面での衰えを決断理由に挙げた。ヤクルト、日本ハムで計7度のリーグ優勝を経験。12年には通算2000安打も達成したバットマンは、「(後悔は)全くない」と20年間の現役生活に幕を閉じた。
「代打・稲葉」の名前がコールされると、札幌ドームのボルテージは最高潮に達した。3点を追う9回1死。「稲葉ジャンプ」で札幌ドームが揺れる中、この日、現役引退を表明した稲葉が打席に立った。「ジャンプをしてくれてうれしかった。こみ上げてくるものがあった」。中飛には倒れたが、感慨深い一打となった。
正午に行われた会見では、終始穏やかな表情を見せた。「やりきったとは言わないが、ここまで悔いは全くない」。
左膝に慢性的な痛みを抱えていた。その影響もあり「引退を決めたのはキャンプの半ば頃」と開幕前から最後の1年として戦うことを決断。家族にも伝えていた。
それでも、シーズン中盤以降に万全の状態でプレーできるよう、4月に左膝を手術。7月から1軍に復帰し、8月14日のロッテ戦(札幌D)で今季1号を放つなど復調の兆しを見せていた。
ヤクルト、FA移籍した日本ハムで、中心選手として4度のリーグ優勝を経験。20年で計5人の監督に仕え、「全部の監督を胴上げできたことは自慢できる」と胸を張った。
スタンドのファンが跳びはねて応援する「稲葉ジャンプ」。札幌ドームの名物となったが、「僕の空気までも変えてくれる応援。調子が悪いときでも打てる気持ちにさせてくれる」と感謝した。
今後は「指導者という夢はある」と将来の現場復帰を希望。もちろん球団側もそのつもりだ。球団幹部は「将来というより近い未来。功労者だから、本人の気持ちを優先させたい」と、監督や幹部候補として戻ってくることを望んでいる。
チームは、まだリーグ優勝へかすかな望みを残している。「最後まで出し切って終わりたい。栗山監督を胴上げしたい」。大逆転Vを置きみやげに。奇跡を目指し背番号41は全力疾走で駆け抜ける。
◆稲葉 篤紀(いなば・あつのり)1972年8月3日、愛知県北名古屋市(旧師勝町)生まれ。42歳。中京(現中京大中京)高から法大を経て、94年ドラフト3位でヤクルト入団。05年にFAで日本ハム移籍。07年に首位打者と最多安打。12年に通算2000安打を達成。ベストナイン5回、ゴールデン・グラブ賞5回。06年日本シリーズMVP。08年北京五輪、09、13年WBC日本代表。185センチ、94キロ。左投左打。年俸1億3000万円。
そろそろかな?とは思ってましたが、やっぱり本当に引退発表となると寂しいです。
【日本ハム】稲葉「悔いない」引退 20年間、計5人全監督胴上げ