<カイコ>クモ遺伝子組み込み…生糸の1.5倍強い糸誕生
強くて伸縮性、耐熱性の優れた糸を作るカイコを開発したと、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)のチームが27日、発表した。オニグモの遺伝子をカイコに組み込んでクモ糸の利点を引き出した。従来の生糸に比べて1.5倍切れにくく、衣服や手術用の縫合糸、耐火性の防災ロープなど幅広い分野に利用できる可能性がある。
クモは肉食で共食いするため、大量飼育によるクモ糸の生産はできなかった。そこで、チームは、遺伝子組み換え技術を応用してカイコにクモの特徴を持った糸を作らせることを発案。2007年に実験用のカイコで遺伝子組み換えに成功したが、強度が不十分だった。
今回、養蚕に使われている品種で試した結果、従来の生糸に比べて、強度が約20%、伸び率は約30%それぞれ増すなど、性能が大幅に向上した。同研究所の桑名芳彦主任研究員は「これまで使っている機械で加工できるので、普及させやすい」と話す。【相良美成】
人間は動物から学ぶべきことはまだまだたくさんありそうだね。
<カイコ>クモ遺伝子組み込み…生糸の1.5倍強い糸誕生