iPS移植に18年度から先進医療 京大、パーキンソン病で計画
iPS(人工多能性幹)細胞から作った神経細胞をパーキンソン病患者に移植する京都大の再生医療について、自分の細胞を使う移植に関しては保険診療と併用する先進医療を2018年度に始めることを京大iPS細胞研究所の高橋淳教授が計画していることが14日までに分かった。他人の細胞を使う移植も同年度に治験を開始する。さらに多くの患者が治療を受けられ、iPS細胞の医療応用の大きな前進になる。
高橋教授がこのほど開かれた学内の研究会で明らかにした。患者への最初の移植となる臨床研究は2015年度に開始し、6人の患者の血液細胞から作製したiPS細胞の使用を予定している。先進医療の開始に伴い、臨床研究よりも多くの患者の希望に対応しやすくなる。
また、iPS細胞を使った再生医療は、費用の問題から、あらかじめ他人の細胞から作製し備蓄した「iPS細胞ストック」の利用が将来的に基本となる見込み。高橋教授は他人の細胞の移植ではストックの細胞を使う考えを示しており、将来的なストックの細胞の医療製品化に向け治験を実施する。
高橋教授のグループは、iPS細胞から神経伝達物質ドーパミンを分泌する神経の元となる細胞を作り、パーキンソン病患者の脳に移植して症状を改善させる研究を進めている。これまでに安全な細胞の大量作製など移植用の技術を確立し、動物実験で検証している。
<パーキンソン病>神経伝達物質ドーパミンを分泌する脳内の神経細胞が減ることで、手足の震えや体のこわばりなどの症状が出る進行性難病。多くは50歳以降に発症する。国内には14万人の患者がいるとされる。
とうとうIPSの本領発揮か・・
iPS移植に18年度から先進医療 京大、パーキンソン病で計画