<高校野球>東海大四・西嶋投手の超スローボールの是非
頭を使ったプレ-ですね!
東海大四高(南北海道)の西嶋亮太投手の推定50キロ台の超スローボール(イーファス・ピッチ)が話題になっている。13日の九州国際大付属戦で、計4球、スピードガン掲示もされない“超ゆる球”を入れ込んで、古沢、清水というドラフト候補の擁する打線から12個の三振を奪って完投勝利。話題の魔球は、山なりの放物線を描くため、テレビの放送フレームからも一瞬消え、満員の甲子園スタンドを「おー」と沸かせた。
西嶋投手は身長168センチ、体重59キロと甲子園出場投手の中では、小柄な体格だが、ストレートとスライダーの配球に変化を加えようと昨秋から遊び感覚で、ブルペンで練習を始めた。西嶋が、その超スローボールのサインを強く要求するため、キャッチャーも熱意に負けて試合で使ってみたところ、相手打者を戸惑わせる効果があったという。
だが、某元アナウンサーが、ツイッターで「ダメとは言わないが、少なくとも投球術とは呼びたくない。意地でも。こういうことやっていると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がする」と批判するなど、超スローボールの是非を巡って議論が起きている。
元プロ野球選手で高校野球監督に就任した第1号として瀬戸内高校で長らく監督を務めた後原(せどはら)富氏に意見を求めたが、逆に肯定的な意見。「相手チームの監督にすれば腹立たしいし、ふざけたピッチングに見えないこともない。確かに教育の実践の場としての高校野球で、“ああいうボール”を使うことが果たしていいのか悪いのかという議論はあるだろう。野球は、頭を使った化かし合いのスポーツ。個人的には大賛成」。瀬戸内高校監督時代に後原氏は、プロ時代に習ったセカンド、ショートに偽装の動きをさせるピックアッププレーを使い一、部メディアから「高校野球で、あるまじきプレー」という批判を受けたことがある。だが、ルールブックで禁止されていない頭を使ったプレーを非難されることの方がおかしい。