ユニクロ、必ずしも“量”を追わず 国内戦略見直し…秋冬物値上げへ
良い判断だと思います。
ファーストリテイリングが、カジュアル衣料「ユニクロ」の秋冬向け新商品を値上げすることが10日、分かった。値上げ幅は5%程度とみられる。綿やウールなどの原材料価格上昇や円安の進行で輸入コストが増加したのが主な要因。人手確保のため販売員1万6000人の正社員化を図る取り組みと並び、コストを徹底的に削減して低価格を追求してきた同社の国内戦略見直しの一環となる。
今夏以降に順次投入する秋冬物の新商品から価格を切り替える。ジーンズなどのズボンで伸縮性のある素材を増やしたり、フリースなどの上着では保温性を高めるなど、機能面を向上させ、消費者の理解を得たい考え。来年の春夏物でも同様に価格を引き上げる。
ユニクロで全商品対象の値上げは初めてとみられる。4月の消費税率引き上げの際に増税分を転嫁したが、5月の既存店売上高は前年同月比4.1%増。増税の影響が軽微だったこともあり、原材料価格の上昇を反映した価格改定にも踏み切る。
ファストリは国内事業について、柳井正会長兼社長が「国内店舗数は増やさない」と明言し、従来のように必ずしも“量”を追わない方針を示している。また、1万6000人の正社員化で1人当たりの人件費が2割程度上昇することが見込まれ、コスト増も避けられない。その中で1店舗当たりの売上高増や収益性改善を図るためには値上げが必要だった側面もある。
デフレの勝ち組とされた同社の値上げで、さまざまな業種で価格改定の動きが活発化すれば、デフレ脱却を加速させる効果もありそうだ。