“負の連鎖”悩むガソリンスタンド 165円突破…コスト増と客離れ懸念
ガソリン価格の上昇が続いている。4月の消費税増税分に加え、ウクライナ情勢の緊迫化などのため原油価格が高値で推移し、卸価格の上昇分を店頭価格に転嫁する動きが進んだためだ。すでにレギュラーガソリンの全国平均小売価格は1リットル当たり165円を突破し、5週連続で上昇した。
ただ、国内のガソリン需要は長期低迷を続けており、一段の値上げに踏み切れない販売店も増えているという。経済産業省資源エネルギー庁が28日発表した26日時点のレギュラー全国平均小売価格は、前週(19日)から20銭高い1リットル当たり165円80銭となった。ガソリン価格は4月からの消費増税で1リットル当たり約5円上昇した。
また、ウクライナ情勢の緊迫化で、原油の国際指標である北海ブレント原油の価格は4月7~11日の週に1バレル当たり平均107ドル台だったのが、先週は同110ドル台まで上昇。原油高を背景とした卸価格の上昇分がガソリンの店頭価格に上乗せされる傾向が続き、2008年9月以来の高値となっている。同センターは「原油価格の上昇と円安の影響で、来週は横ばいか小幅な値上がりになるのではないか」とみている。
しかし、国内のガソリン需要は低燃費車の普及や若者のクルマ離れなどが原因で、前年比2%減のペースで減少。価格上昇による買い控えへの懸念から店頭価格へのコスト転嫁を抑える動きも着実に進んでいる。レギュラー平均価格が値上がりした都道府県の数は前々週の34、前週が31、今週は24と減少。逆に値下がりしたのは前々週の7から13と、ほぼ倍増した。
東京都新宿区のスタンドは、都の平均価格より3円程度安い1リットル当たり165円に抑えており、「これ以上値上げすれば、客が離れてしまう」と話す。コスト増と客離れに悩むスタンド経営者は、難しい価格判断を迫られそうだ。
ガソリンの税は多重に掛けられているので、税率を下げくれないときついですね。