【西武】岸、祖父の命日に完封!また28人斬り!
凄いです!
◆楽天0―7西武(17日・秋田)
みちのくの曇り空の上から、温かいまなざしが注いでいた。岸が1年前に亡くなった祖父の命日に、完封の白星をささげた。
日本海の浜風を受けて変化球がさえた。3イニングで先頭打者に安打を許したものの、いずれも併殺で切り抜けた。「珍しい。併殺3つなんてないんじゃないかな」。被安打4ながら、2日のロッテ戦(QVC)のノーヒットノーラン(1四球)に続き、月間2度目の打者28人斬り。無四球完封に花を添えた。
昨年5月17日、祖父の三男さんが99歳の大往生を遂げた。翌18日の登板を控えていた右腕は、最期をみとれなかった。今月初旬の一周忌法要も参列できなかったが、香典の表書きは「岸家の長男だから、自分が書く」と書道の先生だった祖父譲りの字でしたため、妻と子供に託した。それが1日のこと。ノーヒッターを達成したのは、その翌日だった。「こんなことがあるんですね」。ウイニングボールは仙台市内の実家の霊前に届けた。
東北は秋田で最下位に沈むチームの連敗を4で止め、自身の連勝は4に伸ばした。「完封をお願いしていたけど、その通り投げてくれた」と、伊原監督はエースの踏ん張りをたたえた。「チームが勝って、自分も勝ちがついたし、最高の形だと思う」と岸。日本一のファンだった祖父に、最高のおじいちゃん孝行で報いた。(山崎 智)