井上死刑囚、何を語る…平田被告公判に証人出廷
東京地裁で開かれているオウム真理教元幹部・平田信(まこと)被告(48)の裁判員裁判で、元教団幹部・井上嘉浩死刑囚(44)が3日と4日の公判に検察側証人として出廷する。
かつて教祖・松本智津夫死刑囚(58)の「側近中の側近」とされた井上死刑囚。平田被告が起訴された3事件にも、現場の指揮役として深く関与しており、証言が注目される。
◆カギ握る証言
「真実を語りたい」。井上死刑囚は出廷を前にした1月29日、東京拘置所で面会した弁護士にそう話した。「他の信者の証言には矛盾もある。知っていることをすべて話す」とも述べたという。
高校2年で教団に入信した井上死刑囚は、松本死刑囚から「修行の天才」と呼ばれ、地下鉄サリンやVX襲撃など計10事件に関与した。しかし、逮捕後は一転、教団との決別を強調。1996年9月の松本死刑囚の公判では、松本死刑囚が弟子らに地下鉄へのサリン散布を命じた「リムジン車内の謀議」を暴露した。
平田被告が起訴された95年の仮谷清志さん(当時68歳)拉致、マンション入り口爆破、教団施設への火炎瓶投げ込みの3事件は、井上死刑囚が現場を指揮した。平田被告は拉致事件と爆破事件は「計画を知らなかった」と主張しているが、検察側は、被告の関与を明かした井上死刑囚の供述を立証の柱としており、その証言内容は公判のカギを握る。
◆死の真相は
被害者参加人として公判に参加する仮谷さんの長男の実さん(54)も、井上死刑囚の言葉に関心を寄せる。
実さんは2004年春、当時2審公判中だった井上死刑囚と面会した。拉致後に元教団幹部・中川智正死刑囚(51)に大量の麻酔薬を投与された仮谷さんの死は、過失なのか、故意なのか、「教えてほしい」と訴えた。井上死刑囚は「申し訳ありません」と泣いて謝罪したが、中川死刑囚が目を離した間に亡くなったと、すでに公判で明らかになっていたこと以外は語らなかった。
ところが、井上死刑囚は11年8月、「中川から、ポア(殺害)できる薬の効果を確かめようと思って点滴したら亡くなったと聞いた」と手紙に書いてきた。実さんは「あの時の謝罪も信じられなくなった」と話す。
中川死刑囚は1月21日の証人尋問で、井上死刑囚の手紙の内容を否定している。実さんは「何が本当か。今度こそ真実を明らかにしてほしい」と話している。
死刑囚ってなかなか死刑執行されないですね・・・・・
井上死刑囚、何を語る…平田被告公判に証人出廷