任天堂社長、進退論も ゲーム機本体もソフトも不振
どんな挽回策だろう・・・
平成26年3月期連結業績予想を下方修正し、3期連続の営業赤字の見通しとなった任天堂。春から続く不振に「ゲームは年末商戦で決まる」と望みをかけたが、果たせなかった。ゲーム機本体だけでなく、収益性の高いゲームソフトも不振と“打つ手なし”の状況にある。岩田聡社長は続投の意向を表明したが、株主からは進退を問う声が高まりそうだ。
「為替が円安になったのに利益が出せていないことは重く受け止める」。大阪市内で17日に会見した岩田社長は、厳しい状況にこう話した。
任天堂は、海外売上高が7割超の輸出偏重の収益構造で、円高是正が収益改善に大きく貢献するはずだった。しかし海外の不振が想定を上回った。逆に輸入に頼る原材料調達がコスト高となり、為替差益はほとんどなかったという。
しかも、ゲーム機だけでなくソフトも不振が続く。ゲームは赤字覚悟で本体を販売し、ソフトの売り上げで利益を回収するのがビジネスモデルだが、本体販売が伸び悩む据え置き型ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」だけでなく、国内を中心に普及が進む「ニンテンドー3DS」でもソフト販売が低迷した。
本体、ソフトともに販売不振の手詰まり状況だが、岩田社長は「結果は深刻だが、まだ困っていない。やるべきことがはっきりしている」と説明。公約に掲げた今期の営業利益1千億円も「目標達成に向け最善の努力をしたいとの意味だ」として、辞任を否定した。
岩田社長は今月30日の経営戦略発表で挽回策を表明する予定だ。そこで抜本改革策を示さなければ、市場から“更迭”を求める声が上がりかねない。(藤原直樹)