<リベンジポルノ>被害拡大 元交際相手の写真、ネットに
ネットってすごいなぁ・・・
元交際相手らのプライベート写真を、ふられた腹いせなどからインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」が広がりつつある。スマートフォン(スマホ)などの普及で簡単に画像のやり取りができることが背景にあるとみられ、交際中に裸の画像を求められた体験を持つ「被害予備軍」の少女らも少なくない。流出すれば完全な削除は不可能だけに、捜査関係者や専門家は「どんなに親しくても、撮らせないで」と警告する。
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「交際を継続しないと写真をばらまく」。警視庁は7日、元交際相手の女性を脅したとして、東京都青梅市の無職の男(30)を強要未遂容疑で逮捕した。男は約7年前から都内の30代女性と付き合っていたが、別れ話を切り出されたことに立腹し、交際中に撮った女性の裸の写真4枚を携帯メールで送りつけたとされる。女性がすぐに相談し、ネットへの流出は避けられた。
ネットが身近な子どもたちの世界は、さらに深刻だ。通学客が行き交うターミナル駅の東京・秋葉原。今月上旬、女子高生ら約40人に聞いたところ、約8割が交際相手から裸の画像を求められた経験があると話した。
高3女子(18)=都内在住=は、中学時代から数カ月前まで4年間付き合った10歳上の男性に頼まれ、全裸や下着姿の写真を送ったことがある。「彼氏だから断る理由も無かった。独占欲が強い人だったので他人には見せられない画像が欲しかったんだと思う」。流出の不安がないのか尋ねると「そんなことをする人じゃないので怖くない」と答えた。
別の高3女子(18)=同=は、出会い系サイトで知り合い、交際した同学年の高校生から「胸の写真がほしい」とせがまれた。考えた揚げ句、「別れた後のことを考えると、写真を送るのは怖い」とネットで見つけた他人の画像を送った。
警視庁は今年1~10月、18歳未満の少女に裸の写真を送らせたとして計21人を児童ポルノ禁止法違反容疑で摘発したが、リベンジポルノの適用罪名は強要や名誉毀損(きそん)などケース・バイ・ケースで、摘発件数は集計していない。
捜査幹部は「画像を渡した後ろめたさや恥ずかしさから、本人が警察に相談に来ることはほぼない。事件化しているのは本当に氷山の一角」とみる。【林奈緒美】
◇リベンジポルノとみられる過去の主な画像流出(未遂含む)事件
2007年9月 復縁を断られた腹いせに、元交際相手の30代女性の裸の写真をネットに掲載したとして、宮城県警が青森海上保安部の1等海上保安士を名誉毀損容疑で逮捕
2009年2月 元交際相手の女性に復縁を断られ、ネットで女性の裸の画像を公開したとして、兵庫県警が名誉毀損容疑などで同県の会社員を逮捕
7月 携帯サイトで知り合った女子高校生に交際を申し込んで断られ、「画像を流出させて親に買ってもらう」と脅したとして、滋賀県警が北海道美唄市の土木作業員を逮捕
2012年2月 青森県内に住む知人女性の裸の画像をネットに投稿したとして、同県警が岩手県警の警部補を名誉毀損容疑で逮捕
2013年8月 元交際相手の女子大学生に、復縁しなければ裸の写真をネットで公表すると脅したとして、警視庁が茨城県の防水工をストーカー規制法違反容疑で逮捕