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「ネットダフ屋」チケット高騰で問題視 “規制”か“公認”か

イベントなどのチケットを、インターネットオークションで転売する「ネットダフ屋」が問題となっている。先月に行われた、元ビートルズのポール・マッカートニーさんの11年ぶりの来日公演や、歌手で女優の桜田淳子さんのデビュー40周年記念ファンイベントでは、数十万円にまで高騰したことが話題になった。ネットの消費者問題に詳しい弁護士の紀藤正樹さんと、ダフ屋の“公認”による問題解決を説く経済評論家の山崎元さんに、見解を聞いた。(磨井慎吾)

 ■山崎元氏「被害者なく双方に効用」

 --ダフ屋の公認を説いている

 「チケットをいったん買って別の人に売るという行為の中に、被害者はいない。売りたい人と買いたい人を仲介して双方に経済的効用を与えているのだから、ダフ屋は悪いことをしていない。チケットを買ったもののイベントに行けなくなった場合や、買い逃したがどうしても行きたい場合は生じるので、いつでもチケットを売買できる2次市場的サービスには需要がある。現状ではダフ屋が売買をしているが、正式にイベントの主催者やチケットの販売業者が2次市場を開けばいい。ダフ屋行為をいわば合法化することによって、チケット市場はもっと効率的なものにできる」

 --ダフ屋行為は迷惑防止条例で禁止されているが

 「ダフ屋の問題点は、転売の収益をちゃんと納税しているかという点と、反社会的勢力の資金源につながる懸念がある点だ。ならば地方自治体などが実施すればいい。それで税収も増え、警察の取り締まりコストも減る。需要と供給がある限り、中途半端に取り締まったところで、禁酒法で密造酒が増えたように、裏で巧妙にやる人の利潤が高まるだけだ」

 --近年はネットダフ屋が問題視されている

 「ネットオークションでチケットが盛んに取引されているが、イベント会場周辺で声をかけてくる古典的ダフ屋をネットが代替しているということであり、結構なことだと思う。経済的に見れば、ダフ屋的2次市場が介在することで、より欲しいと思っている人にチケットが行き渡るという効率化が図られている」

 --オークションだと、値段が高くて買えない、という批判もある

 「たくさんお金を払った人が本当に必要な人、というのは手続きとしてフェアだ。現状では、チケット販売の開始直後に業者が人海戦術で押さえてしまうことが問題になっているが、それはそもそもチケットの値付けが安すぎるからだ。適当に値付けして、申し込む時間が0・1秒早いか遅いかを争うような販売システムはよくない」

 --どういう形が望ましいか

 「チケットはむしろ最初からオークションで売ればいい。信頼できる決済システムを持ち、さらに2次市場として転売も仲介する会社が出てきて、そこに主催者がチケット販売を委託することなどが考えられる。席ごとにオークションにかけるなど、チケットの販売と流通の仕組みはもっと柔軟で効率的なものにできる。現状のダフ屋は、適正な市場価格が形成されていない隙間を埋めるニッチビジネスだ。効率的な2次市場のシステムができれば、古典的ダフ屋はおのずから減り、反社会的勢力に資金が流れることもなくなる」

 ■紀藤正樹氏「人気チケット買えない」

 --日本弁護士連合会は5月発表の意見書で、ネットダフ屋について新規立法も視野に入れた規制強化を求めた

 「現状の各都道府県の迷惑防止条例では、ネットダフ屋を規制するのが困難だからだ。現実世界のダフ屋の売買は見えるから取り締まりも容易だが、ネットオークションでは売るところしか見えず、(転売を目的とした公共の場所での購入という)条例適用の構成要件を満たすことがなかなか難しい。そのためダフ屋がネットに移行してきており、条例がザル法化しつつある。一番穏当なのは、条例改正で『公共の場所』にネットを含めることだが、それが難しければ新たな『ダフ屋規制法』的な立法が必要になるだろう」

 --ダフ屋は売り手と買い手の間に入り、流通を促進しているのでは

 「むしろ流通を阻害する存在だ。ダフ屋がチケットを買い占めるから、本当に見に行きたい人が入手しにくくなってしまう。もしダフ屋を完全に野放しにしたら、普通の人は人気チケットを買えなくなってしまうだろう。旅行代理店が部屋を押さえてしまう観光シーズンのホテルが良い例で、組織的・職業的に買い占められると個人は対抗できない。たとえば今では大相撲の升席も一般チケットオフィスで販売されるようになったが、昔はコネやお茶屋さん(相撲専門の仲介業者)を通じてしか手に入らなかった。こうした状況はとても公正な取引とはいえないだろう」

 --ダフ屋行為は売り手も買い手も合意した取引だから、被害者はいない

 「供給が限られたものを買い占め、値段をつり上げる行為を公認することはありえない。ダフ屋を禁止するのは被害者がいるからというより、もっと高次の公共的規制だ。たとえば、女子高生の着用済み下着の買い受けを禁止する“ブルセラ規制条例”のように、被害者がいなくても社会的に合理的な規制は存在する。お互い納得しているから、被害者がいないからいいとなれば、麻薬も許されることになる」

 --チケットの高値転売は、そもそも主催者が最初からそれなりの値段を付けていれば防げたのでは

 「最初から高い値段を設定すればいいというが、そうすればお金持ちしか行けなくなってしまう。それは主催者の意図に反する結果になるのではないか。歌手の矢沢永吉さんをはじめ、自分のコンサートのチケットをダフ屋で買うなと呼びかけているアーティストは多い。売り手と買い手の間には人間の意思が入るのだから、誰にいくらで売るかというのは市場価値だけで決まるわけではない。主催者の値段設定には、多くのファンに来てほしいといった主観的意図が入っているのだから、市場価値に合わせた価格設定にしていないと批判するのはおかしいだろう」

被害者がいないから、別にいいのでは??
「ネットダフ屋」チケット高騰で問題視 “規制”か“公認”か

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