就活 最後の12月解禁 人材確保へ手法ひと工夫 景気好転も大手「量より質」
どうなるんだろう・・・
平成27年3月卒業の大学生(現在の大学3年生)の就職・採用活動が12月1日に解禁される。景気の回復傾向を受け、企業の採用意欲は高まっている。ただ、大手企業は「量より質」の姿勢を強めており、環境改善が人気企業への入社しやすさにつながるわけではなさそうだ。
経団連は今年4月、安倍晋三首相の要請に応え、会員企業約1500社の就活開始を遅らせることを決めた。28年3月の卒業生から会社説明会などの広報活動は大学3年生の3月から、筆記試験や面接などの選考活動は4年生の8月からになる。3年生12月の広報活動、4年生4月の選考活動解禁は今回が最後だ。
厚生労働・文部科学両省が11月中旬に発表した来春卒業の大学4年生の就職内定率は10月1日時点で前年に比べ1・2ポイント上昇の64・3%と3年連続で改善。内定者数も同6%増の28万4千人になった。売り手市場の様相を呈するものの、企業は質重視の選考にかじを切る。
毎年約1200人(大卒約600人)の新卒を採用しているトヨタ自動車は「採用枠は毎年できるだけ動かさない。海外展開に力点を置いており、国内は現状維持が原則」と話す。来春入社の大卒採用実績が55人だったアサヒビールは来年1月上旬に次年度の採用数を決めるが「ここ数年大きな変動はない」という。
大手企業は業種を問わず基礎学力が高く、外国語ができて環境順応力が高いひと握りの優秀な学生を取り合っている。経団連が示す採用ルールに法的拘束力はなく、企業はインターンシップやビジネスコンテストなど既存の広報活動とは異なる手法で優秀な人材確保に躍起だ。縛りがもともとない外資系やベンチャー企業はすでに採用活動を進めており、就活のダブルスタンダードも加速している。(早坂礼子)