【BOX】興毅にアウェーの洗礼!計量時間に異議&ハカリに物言い
格闘技は盛り上げ方がいつもケンカみたいにはじまるのが
◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ 王者・亀田興毅―同級14位・孫正五(19日、韓国・済州島) WBA世界バンタム級王者の亀田興毅が、アウェーの洗礼に意地のメンチ切りだ。同級14位・孫正五との8度目の防衛戦の調印式が当地で行われた。現地入りしたこの日に27回目の誕生日を迎えた興毅だが、18日の前日計量の開始時刻が孫陣営の猛烈なクレームで、予定から4時間遅くなる可能性が浮上。ゴタゴタが続く中、敵地でも変わらぬメンチ切りで自らを鼓舞した。
敵地だから何事もすんなりとはいかない。調印式後のルールミーティングで、孫陣営が18日正午の計量開始時間に異議を唱えた。「試合により近い時間に計量を行うべきだ」。興毅陣営は日本での試合なら問題視されない盲点を突かれた。
計量の開始時間は、WBAの規定では試合スタートの24時間前に行うことになっているが、試合開催国のコミッションの判断に委ねられている。選手の健康管理を重視する日本では、約30時間前の試合前日の昼頃に行うことが大半。孫陣営は地元コミッションを通して猛烈に主張をぶつけた。
ハカリにも物言いをつけた。興行主の興毅側が契約で用意した日本製のハカリに加え、「韓国製のハカリを持ってくる。両方とも正確なら日本製を使えばいい」とした。
会場内では怒号が飛び交った。孫陣営は折れず、いずれの問題も計量当日朝までに決着がつく。亀田側関係者は「計量時間を引き延ばして興毅を苦しめようとするつもりですかね?」と語った。
騒動が起きる前の写真撮影で、興毅は2011年8月のV2戦以来となる試合前のメンチ切りを解禁した。サングラスをおでこに上げ、鋭い目つきでにらみつけ、孫が苦笑いで顔をそむけた。その時間はくしくも年齢と同じ「27」秒。「俺は大阪の西成から出てきたから、目をそらしたら負けという意識が染みついてるんや」。力を振り絞り、意地の張り合いを見せた。とにかく今回は試合前からガチンコの様相だ。