<日本シリーズ>楽天日本一 被災地が力をくれた
○楽天3-0巨人●(3日・Kスタ宮城)
12球団で最も歴史の新しい楽天が日本一になった。東日本大震災を経験し、人々との結びつきを強めた中での頂点だ。
3勝3敗で迎えた第7戦。Kスタ宮城のスタンドは2万8000人で埋まった。仙台市陸上競技場はパブリックビューイングで開放され、チケットを手にできなかった人たちで芝生が半分埋まった。ファンの熱気が高まっていた。
9年前、球界再編を機に、東北の地に新たに誕生した球団。かつてはロッテが一時期本拠を置いていたが、根を張るには至らなかった。楽天は地域との結びつきを求め、根を広げてきた。観客動員数は初年の2005年シーズンは約98万人を記録し、09年に約120万人。ファンの声援は選手を後押しした。1年目は優勝チームと51・5ゲーム差をつけられ、最下位だったが、野村克也監督2年目の07年には4位、4年目の09年には2位と、ファンとともに成長の歩を進めた。
だが、そこに襲ったのが、東日本大震災だった。未曽有の被害に選手たちは「野球を続けていていいのか」と悩んだ。遠征に出ていたチームが仙台に戻ったのは震災の約1カ月後。その足で星野仙一監督らは避難所を訪れた。「言葉が見つからない。遅くなってすみません」。そして、嶋基宏捕手は札幌ドームでの慈善試合の前に、「ともに頑張ろう! 東北」と呼びかけた。
10年以降110万人台にとどまっていた観客動員数は、夏場から首位を走った今季、約128万人の新記録となった。
1995年に起きた阪神大震災では、オリックス・ブルーウェーブ(現バファローズ)が「がんばろうKOBE」をキャッチフレーズにして、その年にパ・リーグ優勝、翌年には日本一になった。今、楽天のユニホームの袖には「がんばろう東北」の文字がある。震災を経験していない新外国人のマギー内野手までがこう言う。「東北の皆さんの粘り強さが伝わり、このチームの勝ちへの執念に変わってきた」。東北、仙台に新しい野球文化を築いてこその日本一だった。
楽天優勝おめでとうございます!!ただマー君の連投が心配です。
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