【楽天】マー「僕は下手クソ」160球完投も30連勝で止まった!
30連勝で止まったけど素晴らしい記録です!
◆コナミ日本シリーズ2013第6戦 楽天2―4巨人(11月2日・Kスタ宮城) 自分への憤りを押し殺すのに必死だった。勝てば日本一。チームメートが作ってくれた最高の舞台だった。田中は味方の逆転を信じて、最後までマウンドに立ち続けた。「ここ一番で力が出せなかった。まだまだ僕は下手クソ、ということ」。言い訳はしなかった。
田中に、ついに黒星が刻まれた。昨年8月19日の西武戦(西武D)以来、440日ぶり。今季32試合目の登板で土が付いた。7回を投げ終えた時点で126球。星野監督は降板を指示したが、続投した。9回2死二塁。高橋由を空振り三振に仕留めた160球目は、152キロをマークした。「9回は、どうやったら球場が盛り上がるかを考えた」。負けの展開でファンを剛速球で盛り上げ、最後の攻撃につなげる―そういう狙いがあったが、2点のビハインドを埋めることはできなかった。
信じられない光景が繰り広げられた。2点リードで迎えた5回。先頭・坂本に左中間フェンス直撃の二塁打を許し、ロペスに左越え2ランを浴びた。今季、7本目の被本塁打。初めて得点圏に走者を背負った場面で被弾した。「投げミスが多かったのは確か。それを確実に打たれた」。5回の1イニング3失点、1試合4失点は、ともに今季ワーストだった。
25歳になっての初登板だ。来季、田中はメジャーに移籍する可能性がある。最後になるかもしれない本拠・Kスタのマウンド。「誰よりも最後まで野球をやっていたい」。昨年までは自身の誕生日・11月1日は完全にオフだった。24歳は無敗で終えたが、25歳の“初陣”で、あまりに重い、そして大きい1敗を喫した。
160球という球数を考えても、第7戦のブルペン待機は難しいだろう。しかし、「それ(救援登板)を含めて、自分にできることを明日やります」と話す右腕の目は死んでいない。日本一の夢は、まだ終わったわけではない。