【楽天】銀次またV打!涙の負傷退場藤田のため「魂しかありません」
素晴らしい試合でしたね!
◆コナミ日本シリーズ2013第5戦 巨人2―4楽天=延長10回=(10月31日・東京ドーム) 師弟の心と心が、土壇場で通じ合った。同点に追い付かれた直後の10回1死一、二塁。銀次は、三塁コーチャーのサインにうなずいた。「出すと思ってました。星野監督は、試合中も攻めて攻めてと言ってるくらいだから。当てにいくことなく、しっかりと攻めのスイングができました」。打球は脇谷のグラブの先を抜け、決勝打になった。フルカウントからの6球目、サインはランエンドヒットだった。
二塁走者は則本で、一塁走者の藤田は直前に左ふくらはぎに死球を受け、走るのがやっとの状態。空振りすれば、「三振ゲッツー」が確実だったが、動じなかった。「三振したら、流れは絶対にあっちに行くというのは頭をよぎったけど、オレが決めるしかないという感じでした」。星野監督は「銀次は空振りはしない。あそこは勝負だった」。高校(盛岡中央)時代に、空振り三振をしたことがないという逸話を持つ男のバットコントロールを信じていた。
燃える要素もあった。普段は温厚な藤田が、死球に激高する姿に奮い立った。「魂しかありませんでした。藤田さんがあんな感じでしたから」。一、二塁間でコンビを組み、好守で何度も自らの拙守をカバーしてくれた背番号6の思いをバットに込めた。
王手をかけて地元・仙台に戻る。「すごいプレッシャーですけど、あまり深く考えずにいつもどおりの野球がしたい。また僕が打って勝ちたいと思います!」。敵地のお立ち台で「最高で~す」と言ってのけた。強心臓の3番打者が、星野監督に、そして東北のファンに、初の日本一をもたらす。