伊豆大島、台風26号被害 倒木大量 重機の障害
手作業で大変だと思いますが生存者を救出してほしいです。
生存率が極端に下がるとされる災害発生から「72時間」が迫る中、陸上自衛隊や警視庁などによる捜索が難航している。活火山の三原山特有の土石流が広範囲で発生し、大量の土砂やなぎ倒された樹木が道路を寸断。重機が入れないだけでなく、行方不明者の安全も考えて、手作業での活動を余儀なくされている。
約280人の陸自隊員は17日、山寄りの神達地区などで活動。山肌を滑り落ちた土砂とともに、なぎ倒された樹木や倒壊した家屋のがれきなどで道路が寸断され、重機を搬入することさえできない。隊員はチェーンソーで倒木を切断し、シャベルで土砂を取り除く地道な作業を繰り返した。
「ガラス片などが散乱し、むやみに掘り返したら生存者を負傷させてしまう可能性もあり、慎重にならざるを得ない」と、陸自関係者は話す。17日未明には「地鳴り」の情報が寄せられ、2次被害の恐れもあるため、作業を約1時間中断することもあった。
伊豆大島の火山活動の調査を続けている独立行政法人「産業技術総合研究所」主任研究員の川辺禎久さんは17日午後に島に入り、衝撃を受けた。「樹木で覆われていた山肌があらわになり、全体的に茶色っぽい景色に変わっていた」
神達地区に近いつばき小学校から海岸まで約2キロを歩いた。あちこちで流木が背丈以上の高さに折り重なり、1本抜いたらバランスを失って崩れそうな危うさだった。
川辺さんは「火山島の土砂は水はけがよく、足や膝までつかるようなぬかるみは、ほとんどなくなっていた。捜索活動の最大の障壁は、がれきや流木だと感じた」と話した。