「ノアの箱舟」計画 国際宇宙ステーションで実施
人類滅亡・・・創造できない。
地球滅亡の危機に備えた実験
地球滅亡の危機に備え、人類を含めた生物種の宇宙への脱出を――という将来の「ノアの箱舟」計画の可能性を見極める実験が、今年8月から国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」で行われている。マウスの精子を凍結乾燥させた“フリーズドライ精子”を使って宇宙放射線などの影響を調べるもので、精子は宇宙に最長で2年間保管し、地上に戻って来たら卵子と人工授精させるという。
宇宙環境で子孫を残せるか
この実験は、山梨大学生命環境学部の若山照彦教授らが提案した「ほ乳類の繁殖における宇宙環境の影響」をテーマとする「スペース・パップ(Space Pup)実験」。“スペース・パップ”とは「宇宙の子」という意味だ。
宇宙空間での生殖研究はこれまで、スペースシャトル(1994年)に乗った向井千秋さんによるメダカの受精・ふ化実験など、魚類や両生類で盛んに行われ、宇宙環境でも問題なく子孫を残せることが確かめられているが、ほ乳類での受精や発生の研究はほとんど行われていない。
ほ乳類は環境の変化に敏感で、宇宙に運んでも交尾をしない可能性が高いからだ。実際、1979年にはロシア(当時ソ連)が衛星「コスモス1129」でラットの繁殖を試みたが、宇宙どころか地上での比較実験でも繁殖行動をせず、失敗に終わった。