ノーベル物理学賞 受賞者選びは混戦
なぜ重さがあるのか?なんて考えた事も無かった。
物質にはなぜ重さがあるのか。この根源的な謎を解明したヒッグス粒子の発見にノーベル賞が贈られるのは確実で、早ければ今年に受賞する可能性がある。受賞なら新粒子の存在を予言し、名前の由来になったヒッグス氏は間違いないが、最大3人の受賞者のうち残る2人は混戦模様だ。
質量が生まれる仕組みを説明する理論は1964年、ヒッグス氏を含む6人の物理学者が相次いで発表した。
同氏より早く論文を発表した2人のうち存命のベルギー人、フランソワ・エングレール氏は同時受賞が有力視されている。
実験を行ったCERNが質量理論の名称を、ヒッグス、エングレール両氏ら3人の名前の頭文字をとって「BEH機構」と呼ぶことを決議したことからも、期待の大きさがうかがえる。
一方、理論を証明した実験チームから選ばれる可能性もある。ただ、実験には各国の数千人規模の研究者が参加しており、絞り込むのは難しい。日本人は装置建設やデータ解析で貢献したが、受賞はなさそうだ。
ヒッグス粒子の発見は確定したが、詳しい性質は謎で追加実験が計画されており、受賞は来年以降に持ち越される可能性もある。