タカラヅカ、男たちの夢 「宝塚BOYS」兵庫で公演
宝塚に男子あったんだ!?
【林亜季】来年100周年を迎える宝塚歌劇団。その歴史の中に、戦後の一時期、宝塚大劇場の舞台を夢見た青年たちがいた――。8年あまりで解散した「宝塚歌劇団男子部」の奮闘を描いた舞台の兵庫公演が24、25両日にある。男子部に在籍した俳優、吉井孝明さん(84)=大阪市旭区=に当時の様子を聞いた。
男子部は1945年末に1期生5人を採用。吉井さんは52年、190人から選ばれた4期生12人のうちの1人だった。「宝塚の舞台で芝居ができる」と喜び、演劇や日舞、洋舞、声楽の稽古に打ち込んだ。
数カ月後から、大劇場の「オーケストラボックス」で、顔だけ出して「源氏物語」「虞美人」といった人気公演のコーラスに参加するようになった。当時人気絶頂の故・春日野八千代さんの男役に見とれ、「あの役、やりたいな」と思っていたという。